サフェーサー (プラサフ) を塗装する意味って何?役割と使い方を詳しく解説!

下地処理

塗装に興味がある方なら「サフ」や「プラサフ」、「サフェーサー」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
「サフェーサー」という名前を聞いたことはあるけど、詳しく知らない という方が多いと思います。

今回の記事では、「プラサフとは何なのか?」や「プラサフを塗装するタイミング」「プラサフの種類」などを詳しく解説していこうと思います!

ふじもん
ふじもん

プラサフにはとても大切な役割があります。

塗装に挑戦するなら、プラサフについて詳しく知っておいた方が良いと思います!

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プライマーサフェーサー (プラサフ)とは

プライマーサフェーサーとは、「プライマー」と「サフェーサー」2つの塗料の性能を兼ね備えた塗料の事です。

プライマー + サフェーサー = プライマーサフェーサー

では、「プライマー」と「サフェーサー」とは何なのか?簡単に解説していこうと思います。

プライマー

プライマーとは、密着の悪い素材と上塗り塗料の密着を良くするための密着剤のことで、「金属用プライマー」や「樹脂用プライマー」などが存在します。

  • 【金属用プライマー】 鉄やアルミなどの金属素材に良く密着し、錆びやすい金属を錆びにくくする防錆効果の高い塗料


  • 【樹脂用プライマー】 塗料の密着が悪い樹脂素材と上塗り塗料の密着を良くする塗料

サフェーサー

浅い凹みやパテを研磨したペーパーの研磨傷などを埋めることが出来る粘度の高い塗料の事で、上塗り塗装の仕上がりを美しくするために塗装します。

今は、プライマーサフェーサー (プラサフ) が主流なので、サフェーサーという塗料はあまり使用しなくなりました。

プライマーサフェーサー (プラサフ)

上記で解説した「プライマー」と「サフェーサー」の性能を兼ね備えた塗料がプライマーサフェーサーです。

密着の悪い素材に良く密着し、防錆効果があり、浅い凹みやペーパーの研磨傷も埋めることが出来る塗料

プラサフの種類

プラサフには、1液 (ラッカー) の物もあれば2液 (ウレタン) の物もあり、上塗り塗装前の足付け研磨不要の「ノンサンディングサフェーサー」なども存在します。

色もグレーや白のプラサフだけではなく、様々な色のプラサフが存在するのでうまく使い分ける必要があります。

1液プラサフと2液プラサフの違い

1液プラサフと2液プラサフ

1液プラサフ と2液プラサフ の大きな違いは、硬化剤が入っているか入っていないかです。
硬化剤を混ぜ合わせない1液塗料は、何回でも繰り返し使えますが、硬化剤と混ぜ合わせる2液塗料は、時間が経つと固体になってしまうので再使用は出来ません。

※市販の缶スプレーのプラサフは、1液プラサフです。

・1液塗料=主剤塗料(プラサフ)+シンナー(塗料薄め液)


・2液塗料=主剤塗料(プラサフ)+硬化剤+シンナー(塗料薄め液)

塗料の主成分である樹脂と硬化剤を混ぜ合わせると、化学反応を起こし、耐候性 (屋外の自然環境に対しての耐久性) や耐溶剤性 (ガソリンやシンナーに対する耐久性) に優れた強靭な塗膜になります。

つまり、同じプラサフでも1液プラサフと2液プラサフは、塗膜の耐久性が違うということです。

1液プラサフは粘度が低い (シャバシャバ) ので、塗装後の足付け研磨をするとすぐに下地が出てきてしまいます。

2液プラサフは粘度が高い (ドロドロ) ので、塗装後の足付け研磨をしてもなかなか下地が出てくることはありません。 (厚塗りが出来るので、パテの歪み抜きなどにも使えます!)

ノンサンディングサフェーサー

1液と2液のノンサンディングサフェーサー

先程も紹介しましたが、「ノンサンディングサフェーサー」とは、塗装後の足付け研磨をしなくても良いサフェーサーの事です。

ノンサンディングサフェーサーを使用するメリットは、塗装後の研磨をしなくても良いので作業時間の短縮になります。

ノンサンディングサフェーサー塗装 ➡ 軽く乾燥 (10分程度) ➡ 上塗り塗装

ノンサンディングサフェーサーを使用するデメリットは、ブツが付着する可能性が高くなることです。

通常のプラサフは、塗装をした後に足付け研磨を行うので塗装中にゴミが付着しても問題ないのですが、ノンサンディングサフェーサーは塗装後の足付け研磨を行わないので、ゴミが付着した状態で上塗り塗装を行うことになります。

ノンサンディングサフェーサーも完全乾燥させれば研磨することが可能です!

色違いのプラサフの使い分け

色違いのプラサフ

色違いのプラサフは、上塗り塗料が隠ぺい能力 (下色を隠す能力) に優れているかどうかで使い分けます。
言葉で説明するのは難しいので、実際に検証してみます!

塗り板にグレーと白のプラサフを塗装した状態

まず、塗り板にグレーと白色のプラサフを塗装します。
その上に隠ぺい能力の高いシルバーを3回塗装してみます!

グレーと白のプラサフの上にシルバーを上塗りした状態

左がグレーのプラサフ、右が白色のプラサフです。
シルバーは染まりがよいので、グレー、白色 両方綺麗に染まっています。

グレーと白のプラサフの上に黄色を上塗りした状態

染まりの悪い黄色は、白は綺麗に染まりましたがグレーは全く染まっていません。
恐らく、後3回塗り重ねても綺麗に染まらないでしょう。

隠ぺい能力の低い赤色や黄色、蛍光色、キャンディーカラーなどに使用するプラサフは、白色を使用すると良いと思います。

隠ぺい能力の高いシルバーや黒色などに使用するプラサフは、グレーを使用するか上塗り塗料の色に近い色のプラサフを使用します。

プラサフを塗装する前の足付け

プラサフは、少し深い足付け傷でも埋めることが出来るので、上塗り塗装前に使用する足付けペーパー (800番~1000番) より少し目の粗い足付けペーパー (400番~600番) を使用することで、塗料が付着する表面積を増やします。

👇 足付けの深さをイラストで解説 👇

プラサフを塗装するタイミング

金属部品にプラサフを塗装する場合

金属部品の上に塗装のみを行う場合

  1. 400番~600番 程度のペーパーで足付け研磨 (金属部品の表面の汚れを研磨、除去する役割)

  2. 水拭き、脱脂

  3. プラサフを塗装

  4. 800番~1000番 程度のペーパーで足付け研磨 (塗装が付着する表面積を増やすため)

  5. 水拭き、脱脂

  6. 上塗り塗装を行う

※金属部品の表面は、汚れが付着している物が多いです。
プラサフによっては「塗装前の足付けは不要」と説明書きに記載されているものもありますが、汚れを削り落とすという意味で足付けは行った方が良いと思います!

プラサフは、少し深い足付け傷でも埋めることが出来るので、上塗り塗装前のペーパーより少し目の粗いペーパーで足付けを行います!

金属部品の上にパテを塗布する場合

  1. 400番~600番 程度のペーパーで足付け研磨 (金属部品の表面の汚れを研磨、除去する役割)

  2. 水拭き、脱脂

  3. 金属用プライマーを塗装 (プラサフに比べて防錆効果が高く、パテが良く密着する)

  4. パテを塗布

  5. パテを成形、その後 400番~500番 程度のペーパーで足付け (プラサフ塗装前の足付け)

  6. 水拭き、脱脂

  7. パテの上にプラサフを塗装

  8. 800番~1000番 程度のペーパーで足付け (塗装が付着する表面積を増やすため)

  9. 水拭き、脱脂

  10. 上塗り塗装を行う

金属部品の上に直接パテを塗布しても密着しますが、時間が経つと鉄板とパテの間に湿気などが入り込み、錆が発生する可能性があります!

金属部品の上にプラサフを塗装し、プラサフの上にパテを塗布しても良いのですが、パテを研磨する粗目のペーパー(120番~180番程度) にプラサフは耐えられず、研磨中にプラサフがポロポロと取れてしまうのであまりオススメしません。

金属部品の上にパテを塗布する場合は、プラサフに比べて防錆効果が高く、パテも良く密着し、パテの研磨に使用する目の粗いペーパーにも耐えられる金属用プライマーをパテの下に塗装することをオススメします!

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未塗装樹脂パーツにプラサフを塗装する場合

未塗装樹脂パーツの上に塗装のみを行う場合

  1. 800番~1500番 程度の足付けスポンジで足付け (樹脂パーツの表面の汚れを除去 + 塗装が付着する表面積を増やすため)

  2. 水拭き、脱脂

  3. 樹脂用プライマーを塗装

  4. プラサフを塗装

  5. 800番~1000番 程度のペーパーで足付け (塗装が付着する表面積を増やすため)

  6. 水拭き、脱脂

  7. 上塗り塗装を行う

未塗装樹脂パーツに塗装をするだけの場合は、足付け → プライマー → 上塗り塗装 の順で塗装を行いますが、未塗装樹脂パーツの表面の凸凹を無くしたい場合や、小傷の修理をしたい場合にプラサフを塗装します。

プライマーが含まれているプラサフですが、未塗装樹脂パーツには密着が悪いです。
未塗装樹脂パーツにプラサフを塗装する場合は、樹脂用プライマーを塗装してからプラサフを塗装します!

未塗装樹脂パーツの上にパテや樹脂ボンドを塗布する場合

  1. 800番~1500番 程度の足付けスポンジで足付け (樹脂パーツの表面の汚れを除去 + 塗装が付着する表面積を増やすため)

  2. 水拭き、脱脂

  3. 樹脂用プライマーを塗装 (パテや樹脂ボンドが良く密着する)

  4. パテや樹脂ボンドを塗布

  5. パテや樹脂ボンドを成形、その後 400番~600番 程度のペーパーで足付け (プラサフ塗装前の足付け)

  6. 水拭き、脱脂

  7. プラサフを塗装

  8. 800番~1000番 程度のペーパーで足付け (塗装が付着する表面積を増やすため)

  9. 水拭き、脱脂

  10. 上塗り塗装を行う

パテや樹脂ボンドを使用する場合は、パテや樹脂ボンドを塗布する前に樹脂用プライマーを塗装し、パテや樹脂ボンドを成形した上に樹脂用プラサフを塗装します!

塗装の上にプラサフを塗装する場合

塗装の上にプラサフを塗装する場合
  1. 旧塗膜を400番~600番 程度のペーパーで足付け研磨 (旧塗膜の表面の汚れを除去 + 塗装が付着する表面積を増やすため)

  2. 水拭き、脱脂

  3. プラサフを塗装

  4. 800番~1500番 程度のペーパーで足付け研磨 (塗装が付着する表面積を増やすため)

  5. 水拭き、脱脂

  6. 上塗り塗装を行う

塗装がしてある上にプラサフを塗装する場合は、どんな素材の部品でもやり方は同じです!

プラサフを塗装する前のテーピング作業

プラサフを塗装する前のテーピング作業には、リバースマスキング という技法をよく使います!

リバースマスキングをイラストで解説

リバースマスキングの仕組み

プラサフは、通常の塗料より少しドロッとしています。(粘度が高い)
なので、塗装した場所と塗装していない場所の境目に塗料の段が出来てしまいます。
この段を作らないためにリバースマスキングを行います!

まとめ

今回の記事の大切な内容をまとめると、

  1. 「プラサフ」は、密着の悪い素材に良く密着し、防錆効果があり、浅い凹みやペーパーの研磨傷も埋めることが出来る塗料の事です。

  2. プラサフの色は、上塗り塗料が隠ぺい能力 (下色を隠す能力) に優れているかどうかで使い分けます。

  3. プラサフは少し深い足付け傷でも埋めることが出来るので、目の粗い足付けペーパー(400番~600番)を使用して、塗料が付着する表面積を増やします。

  4. プラサフを塗装する時は、塗装した場所と塗装していない場所の境目に塗料の段を作らないためにも「リバースマスキング」を行う。(塗料の段が出来ると、研磨が大変になる。)

プラサフは、塗装前の下地処理には欠かせない塗料です。
使用するタイミングなども詳しく解説しましたので、是非参考にしてみてください👍

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