塗装後の磨きとは、塗装を行った箇所の塗膜表面の不具合(ブツや垂れなど)の修正と、塗り肌の調整を行う仕上げ作業の事です。
「塗装後は磨き作業を行う」ということを知っている方は多い思いますが、実際どのように作業を進めていくのか理解している方は少ないと思います。
今回の記事では「磨き作業に必要な道具」「塗装後の磨き工程」「垂れ、ブツ、塗り肌調整とは何なのか?」など、塗装後の磨きの基礎内容を詳しく解説しているので、気になる方は是非最後まで読んでみてください‼
何も知らないまま磨き作業を行うより、知識を身につけてから磨き作業を行う方が失敗が減ると思います!
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塗装後の磨きに必要なもの
コンパウンド
コンパウンドとは、車のボディ表面の汚れや小傷を除去する時に使用する研磨粒子の含まれた磨き剤の事で、含まれる研磨粒子の大きさによって、粗目、中目、細目 などの種類に分類されます。
👇 コンパウンドの解説 👇
粗目のコンパウンドは研磨力が高いので小傷程度なら消すことが出来ますが、コンパウンドに含まれる研磨粒子が大きいので、細かい磨き傷が入ってしまいます。
なので、粗目のコンパウンドを使用した場合は、粗目 → 中目 → 細目 のように徐々に傷を細かくしていく必要があります‼
ポリッシャー、バフ
ポリッシャーとは、バフを取り付けて回転させ、塗装面を研磨する工具です。
バフには、タオルバフ、ウールバフ、スポンジバフなどの種類があり、粗磨きにはタオルバフ、ウールバフを使用し、仕上げにはスポンジバフを使用します。
👇 バフの解説 👇
バフ目とは、バフが回転した時に発生する円状の傷の事で、使用するコンパウンドやバフの種類によって、バフ目の出やすさが変わります。
スポンジバフにも、中目、細目、極細目のように種類があり、バフもコンパウンドと同じように、ウールバフ → スポンジバフ(細目) → スポンジバフ(極細目) のように徐々に目を細かくしていきます。
※タオルバフはあまり使わないので、ウールバフからスタートでOKです。
ペーパー類
塗装後の磨きには、ブツ取り、塗り肌調整、垂れ磨きの3つがありますが、作業内容によって使用するペーパーの番手が変わります。
塗装後の磨きはなぜ行うのか?
磨きを行う理由には、上記の3つがあります。
ブツ(ゴミ)取り
ブツ取り作業というのは、塗装中に付着したゴミを塗装後に研磨、磨きを行って除去することです。
👇 ブツ取り作業をイラストで説明 👇
塗装中に付着するゴミには、透明なゴミもあれば黒色のゴミもあります。
白色の塗装の上に黒色のゴミが付着し、その上にクリア塗装を行うと、黒色のゴミをクリア塗装でコーティングしてしまうので二度と除去出来なくなってしまいます。
白色、シルバーなどの上にクリア塗装をする時は、極力ゴミが付着しないように気をつけましょう‼
(塗装物と同じ色の服を着用すると、ゴミが目立ちにくいです。)
塗り肌調整
塗装の表面を下から覗き込んで見ると、小さく波打っているのが分かります。
これを塗装の塗り肌といいます。
塗装が薄いと塗り肌は小さく、塗装が濃いと塗り肌が大きくなり、塗装が垂れる寸前は塗装肌が無くなります。
👇 塗り肌の違いをイラストで解説 👇
👇 塗装後の塗り肌調整をイラストで解説👇
塗装の垂れ修正
塗装は塗り込みすぎると垂れてしまいますが、「垂れた = 失敗」ではありません‼
修復できる範囲の垂れかどうかを見極めることが大切です。
👇 垂れの画像 👇
1枚目の画像は、修復出来る範囲の垂れです。
2枚目の画像は、修復が困難なので再塗装となります。
👇 塗装の垂れ修正のやり方をイラストで解説 👇
垂れた部分の周辺の塗装は、通常の膜厚しかありません。
上記のようなやり方で垂れを修正しますが、垂れた部分のみを耐水ペーパーで研磨しているつもりが、周辺の塗装まで研磨してしまい、色剥げしてしまうという失敗が起きてしまいます。
垂れが酷い場合は、垂れた部分を研磨する回数が増えるので、失敗するリスクも高くなります。
あまりにも酷い垂れは、修正ではなく再塗装という選択をした方が良いと思います‼
まとめ
塗装後の磨きはとても難しい作業です!
ペーパーの番手、コンパウンドの選択、ポリッシャーの使い方、バフの選択、全て考えながら作業しないといけません!
初めて磨き作業に挑戦する方は、必ず少し勉強してください。
今回まとめた内容を軽く読んでおくだけでも構いません。
「綺麗に塗装出来たのに、磨き作業で失敗して塗り直し」というようなことにならないように、慎重に作業するようにしましょう‼
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