塗装後の磨きのやり方 (塗り肌調整編)

磨き作業

自動車の塗装を下から覗き込むと、塗装が少し波打っているように見えます。
これを塗装の「塗り肌」と呼びます。

塗装の塗り肌

自動車の塗装は、塗り肌の状態で「塗装が濃い」「塗装が薄い」の判断をすることが出来るので、塗り肌の確認方法を覚えておくと、塗装の失敗を減らす事も出来ます。

少々塗装の塗りが薄くても、塗装後の研磨、磨きで修正することも出来ます!

今回の記事では、「塗り肌とは何なのか?」「塗り肌の確認方法」「塗り肌の磨き方」などを詳しく解説していこうと思います。

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塗り肌とは何なのか?

冒頭でも解説しましたが、塗装の塗り肌とは、塗装表面の小さな波打ちのことです。
自動車の塗装は、塗り肌の状態で「塗装が濃い」「塗装が薄い」の判断をすることが出来ます!

クリア塗装1回目の塗り肌

クリア塗装1回目の塗り肌

上の画像は、クリア塗装1回目の塗り肌です。
この状態は、連続した塗り肌になっていない状態で、クリア塗装のミストが光っているだけの状態です。

クリア塗装2回目の塗り肌

クリア塗装2回目の塗り肌

上の画像は、クリア塗装2回目の塗り肌です。
塗り肌の波打ちが小さいので塗装の映り込みがぼやけて見えます。

クリア塗装3回目の塗り肌

クリア塗装3回目の塗り肌

上の画像は、クリア塗装3回目の塗り肌です。
塗装の映り込みがとても綺麗で、新車の塗り肌に近い状態です。
塗装を行う時は、これくらいの塗り肌を目指して塗装します。

クリアを塗りすぎた時の塗り肌

クリアを塗りすぎた時の塗り肌

上の画像は、クリアを塗りすぎた時の塗り肌です。
塗装の映り込みは綺麗ですが、塗り肌がとても大きいです。
塗装後すぐは、綺麗に塗れている様に見えますが、完全乾燥するまでの間に垂れることが多いです。

完全乾燥するまでの間に垂れてしまったクリア塗装

完全乾燥するまでの間に垂れてしまったクリア塗装です。
ここまで垂れてしまうと、修正ではなく、再塗装になってしまいます。
こうならないためにも、塗装中の塗り肌の確認はとても大切になります!

塗り肌の確認方法

塗装の塗り肌は、太陽の下では確認することが難しいです。
他にも、ペンライトやスマートフォンのライトなどで確認することは難しいです。

広範囲の明るい光や1点集中の明るい光では、塗り肌を確認することは難しいですが、蛍光灯のような横長のライトを使用すると簡単に確認することが出来ます‼

塗装塾が愛用している手持ちライト

僕は塗装をする時、必ず GENTOS の LEDライトを持って塗装をします。

GENTOSの手持ちライト

このライトは、横長で1本線のLEDライトなので塗り肌の確認に最適です。
充電式で、底が磁石になっているので、整備をする時や鈑金をする時にも役に立ってくれます。

塗り肌を確認しにくい場所で塗装をする場合は、手持ちライトを持って塗装を行うと失敗が減ると思います。

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塗り肌の磨き方

クリアを塗装した後に「ちょっと塗装が薄かったかな?」「塗り肌が少し小さかったかな?」と思うことあると思います。

クリア塗装は、少々薄くても磨き作業で新車と同じくらいの塗り肌まで修正することが出来ます。
逆に、クリア塗装を濃く塗りすぎると、垂れが発生してしまい、修正が困難になってしまいます。

なので、塗装初心者の方で塗装の失敗が怖い方は、少し薄めに塗装をして、磨きで塗り肌を整える方が良いと思います。

塗装が少し薄く、映り込みが悪い塗装肌

今回は、上の画像のような映り込みが悪い塗り肌を、磨き作業で鏡面仕上げにする方法を詳しく解説していきます‼

磨きに必要な道具

塗り肌調整の磨きに必要な道具
  • 当て板、研磨ペーパー (2500番、3000番程度)
  • ポリッシャー、バフ (ウールバフ、スポンジバフ)
  • コンパウンド (粗目、細目、仕上げ)

塗り肌調整の磨き工程を簡単に説明すると、研磨ペーパーで塗り肌を研磨 ➡ ペーパーの傷をコンパウンドで磨き という流れになります。

工程1.塗り肌を耐水ペーパーで研磨

2500番~3000番程度の耐水ペーパーを使って、塗装を研磨する様子

まず、2500番~3000番程度の耐水ペーパーを使って、塗装を研磨します。

塗り肌の高い部分にのみ研磨傷の入った状態

耐水ペーパーで軽く研磨した状態です。
塗装をペーパーで研磨すると、研磨傷の入った部分が白くなります。

2500番~3000番程度での浅い研磨傷なら、コンパウンドで磨くと綺麗に艶が出ますので、安心して塗装を研磨してください!

冒頭でも解説しましたが、塗り肌は波打っています。
上の画像は、波打ちの高い部分にのみ研磨傷が入っており、波打ちの低い部分は研磨出来ていない状態です。

塗料くん
塗料くん

耐水ペーパーでの研磨は、どのくらいまで研磨すればいいの?

全体に均等に研磨傷の入った状態

耐水ペーパーでの研磨は、上の画像のように塗装肌の低い部分にも研磨傷が入る所まで、2500番のペーパーで研磨します。

その後、3000番のペーパーで2500番の研磨傷が入った部分を軽く研磨し、2500番の研磨傷を細かくします。

ペーパーの研磨傷を 2500番 ➡ 3000番 と細かくすることで、コンパウンドでの磨き作業が楽になります!

研磨傷をコンパウンドで磨く

耐水ペーパーで研磨して白くなった塗装を、コンパウンドで磨いて仕上げていきます。

粗目のコンパウンドとウールバフ

まず、コンパウンドの粗目とウールバフを使用して、3000番のペーパー傷を完全に消します。

磨き残しがないように、色々な角度から覗き込んだり、手持ちライトなどを使ってペーパーの傷が完全に消えているのかの確認をすることが大切になります!

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粗目のコンパウンドの磨き傷をライトで確認

粗目のコンパウンドを使ってペーパーの傷を完全に消した状態の塗装面です。
耐水ペーパーの傷は完全に消せましたが、粗目のコンパウンドの磨き傷は残っています。
手持ちライトの光を当てるとよくわかります。

細目のコンパウンドとスポンジバフ

細目のコンパウンドとスポンジバフを使用して、粗目のコンパウンドの磨い傷を細かくしていきます。

仕上げ剤とスポンジバフ

最後に、仕上げ剤とスポンジバフを使用して、細目のコンパウンドの磨き傷を完全に消します。

コンパウンドは、粗目 ➡ 細目 ➡ 仕上げ剤 の3種類を使用して、徐々に磨き傷を消していきます!

塗装面の比較

これで、塗装の肌調整は終了です。
上の画像を見てもらうと分かると思いますが、磨いた場所と磨いていない場所で蛍光灯の映り込みが全く違うと思います。

まとめ

自動車の塗装は、塗り肌の状態で「塗装が濃い」「塗装が薄い」の判断をすることが出来るので、塗り肌の見方を覚えておくと、塗装の失敗を減らす事が出来ます。

少々薄い塗り肌は、研磨、磨きを行うことで、映り込み具合を調整することが出来ます。
なので、塗装初心者の方で塗装を垂らしてしまいそうだと思う方は、少し薄めに塗装をして、磨きで塗り肌を整える方が良いと思います。

塗り肌調整と同時に、ブツ取りも行う場合は、ブツ取り ➡ 肌調整 の順番で作業を行います。

👇 ブツ取りのやり方はこちらの記事で詳しく解説しています 👇

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