
上の画像のように、「塗装中にゴミが付着してしまった」という経験ありませんか?
「着用している衣服から出るホコリ」「空気中のホコリ」「スプレーガンに注いだ塗料の中に混ざっていたゴミ」などが塗装面に付着すると、ゴミが付着した部分のみ小さく膨れ上がったようになります。
これを「ブツ」と呼びます。
塗装中にゴミが付着しないのが一番なのですが、設備が整っている塗装ブースの中で塗装をしてもなかなか難しいです。
なので今回の記事では、塗装中に付着してしまったゴミを塗装後のブツ取り (研磨、磨き) で修正するやり方を詳しく解説していこうと思います‼
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目次
塗装後のブツ取り、磨き作業に必要なもの

塗装後の磨き作業の流れは、ブツ取り → 肌調整 → コンパウンドでの磨き の順に行いますが、今回の記事では、ブツ取り → コンパウンドでの磨き のみの解説をしていきます。
上記の画像の道具は全てプロ用の道具です。
研磨ペーパーは50枚入りでの販売ですし、コンパウンドの内容量は1000gと多めです。
値段も高いですし、趣味で塗装をされる方には必要ないと思います。
なので今回は、「あまりお金をかけずに塗装を楽しみたい」「プロ用の道具を購入しても使い切れない」という方のために、代用できる商品を紹介していこうと思います。

代用品なので仕上がりは少し悪くなる可能性がありますが、初めは安く揃えることが出来る代用品を使用して塗装を楽しみ、本格的に道具を揃えたいと思ったときにプロ用の道具を集めればいいんじゃないかと僕は思います。
プロ用の当て板の代用品

ブツ取りに使用する当て板は、ホームセンターなどで購入出来る木材で代用することが出来ます。
右の四角の木が平面のブツ取りをする時に使用する当て板、左の丸い木が曲面部のブツ取りをする時に使用する当て板です。
2500番、3000番の耐水ペーパーを小さくカットし、当て板に巻き付けて使用します。
プロ用のコンパウンドの代用品

プロ用のコンパウンドの代用品は、ホームセンターなどで購入出来るHoltsのコンパウンドです。
粗目(黄色)、細目(オレンジ)、極細目(赤) の3種類がセット販売されていて、1000円以下で購入可能です!
ポリッシャーの代用品

ポリッシャーは塗装後の磨き作業にとても役に立ちますが、「扱いが難しそう」や「値段が高い」という点から購入を迷っているという方が多いと思います。
そういった方にオススメなのが、手磨きバフです。
表面はウール素材、裏面はスポンジ素材になっていますので、手磨きバフ 1つでペーパーの研磨傷を綺麗に磨くことが出来ます。
ポリッシャーに比べると作業性は落ちますが、自分の力加減で磨きを行うことが出来るので、磨きの失敗を減らすことが出来ます。
塗装後のブツ取り、磨きのやり方
ゴミが付着した部分を手で触ると、少し膨らんでいます。
当て板と2000番~3000番程度のペーパーを使ってゴミが付着した部分を平らになるまで研磨し、ペーパーの研磨傷をコンパウンドで磨いて消す。という流れで作業を行います!
👇 ブツ取り作業の理屈をイラストで簡単に解説 👇

ブツの研磨
※実際のブツ取り作業で解説しますので、画像が多めになっています。

矢印の先にあるのが、塗装中に付着したゴミです。(1㎝程の糸くずゴミ)


当て板とペーパーを使用して、ブツが平らになるまで研磨していきます。
(画像では2500番のペーパーを使用しています)
ブツがある場所のみ研磨したいので、当て板は小さく動かします。
当て板の動かし方に決まりはありませんが、小さく円を描くように当て板を動かすと綺麗にブツが除去出来ます。

少しだけブツを研磨した状態です。
塗装はペーパーで研磨すると白くなりますが、ブツの周りだけ白くなっていないのが分かると思います。
👇 ブツの周りに研磨傷が入らない理由をイラストで解説 👇

イラストを見てもらうと、「ブツの膨らみが大きい間は赤丸の部分に研磨傷は入らない」ということが分かると思います。
ペーパーで研磨を続け、ブツの膨らみが小さくなると、ブツの周辺の塗装に研磨傷が入るようになります。

ブツの周りにもペーパーの傷が入るようになったら、ブツの膨らみが周辺の塗装と同じ高さになったということです。
これでブツの研磨は終了です!
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ペーパーの傷をコンパウンドで磨く

コンパウンドは、粗目、細目、仕上げ(極細目) の3種類を使用します。
ペーパーの研磨傷を、粗目 → 細目 → 仕上げ の順番で磨いたらブツ取り終了です。

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塗装後のブツ取りで修正出来ない場合
塗装中に付着したゴミの大半は塗装後の研磨、磨き作業で修正出来ますが、修正出来ない場合もあることを覚えておいてください‼
艶消し塗装に付着したゴミを磨き作業で修正出来ない理由

艶消し塗装は磨くと艶が出てしまうので、ブツ取り作業を行うことが出来ません‼
艶消し塗装にゴミが付着してしまった場合は、ゴミを放置するしかありません。
明るい色に付着した黒いゴミを磨き作業で修正出来ない理由
明るい色 (白やシルバーなど) の塗装の上にクリア塗装を行っている最中に黒いゴミやホコリが付着してしまうと、クリア塗装で黒いゴミをコーティングしてしまうことになり除去出来なくなってしまいます。
👇 イラストで分かりやすく解説 👇

👇 明るい色に付着した黒いゴミを磨き作業で修正出来ない理由を動画で解説 👇
まとめ
塗装を行う時、塗装面にゴミが付着しないのが 1番なのですが、なかなか難しいです。
ですが、塗装中のゴミの付着ばかりを気にしていると、塗装自体を失敗してしまう可能性があるので、黒やグレー、ガンメタなどの濃い色は、「ゴミが付着しても修正が出来る」ということを覚えておくと、塗装中の緊張感が少しは楽になると思います。
黒いゴミの付着が目立つような明るい色(白やシルバー)を塗装する時や艶消し塗装を行う時のみ、ゴミの付着には気をつけましょう‼
塗装後のブツ取りは、やり方さえわかっていれば誰でも出来ますので、ぜひ挑戦してみてください👍
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