塗装がしてある部品の上に再塗装する場合は、古い塗装の劣化具合や使用されている塗料が1液塗料 (ラッカー塗料) なのか、2液塗料 (ウレタン塗料) なのかを確認する必要があります!
今回の記事では「現在の塗装の状態の確認方法」「劣化した塗装の画像」や「塗装が劣化する原因」などを詳しく解説していこうと思います!
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現在の塗装の状態の確認方法
まず、1液塗料 (ラッカー塗料) と2液塗料 (ウレタン塗料) の違いを簡単に解説します。
上記の性質を利用して現在の塗装の状態の確認を行います!
シンナーで塗装が溶ければ1液塗料、シンナーで塗装が溶けなければ2液塗料という確認が出来ます。
1液塗料はシンナーで溶けますが、完全乾燥してから長い時間が経過していると、すぐには溶けない場合があります。
なので、3回程度同じ場所をシンナーで拭くと確実な確認が出来ます!
1液塗料だった場合、新たな塗装を上塗りすると塗装中に問題が発生する可能性があるので、剥離剤や研磨ペーパーなどを使って塗装を全剥離してから新たな塗装を行うことをオススメします。
2液塗料だった場合は、塗装に足付けをして再塗装をするだけでOKです!
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劣化した塗装の画像
クリア剥げ
塗装が劣化し、クリア層が剥がれてしまっている塗装の画像です。
この状態の塗装の上に、新たな塗装を上塗りすることは出来ません。
塗装を全剥離し、下地処理作業からのやり直しが必要になります。
チョーキング
「チョーキング」とは、クリアを塗装していない2液塗料によく見られる劣化現象で、塗装が劣化することで塗膜中から 顔料 が分離し、塗装に粉を吹いたような状態になることです。
( 軽トラや商用車によく見られます。)
チョーキングが起こっている塗装に触れると、画像のように塗装の色の粉が付着します。
チョーキングが起こっている塗装は、塗装が内部まで劣化している可能性があるので、塗装を全剥離し、下地処理作業からのやり直しが必要になります。
👇 チョーキングをイラストで解説 👇
ブリスター
「ブリスター」とは、塗装前の不純物 ( 水分、油分、汗、研磨カスなど ) の除去が不十分だった塗装に、時間が経ってから膨れが生じる現象の事です。
👇 ブリスターをイラストで解説 👇
チヂミ
「チヂミ」とは、上塗り塗料の溶剤やシンナー分が古い塗装に浸透し、画像のように塗膜にシワが発生する現象の事です。
塗装中にチヂミが発生した場合は、塗装を全剥離し、下地処理作業からのやり直しが必要になります。
塗装が劣化する原因
塗装が劣化する原因には、「紫外線」「花粉の付着」「鉄粉の付着」「鳥のフン や 樹液の放置」「酸性雨 または 水あか」などがあります。
紫外線
塗装が劣化する一番の原因は紫外線と言われており、長年にわたって紫外線を浴び続けると「塗装剥がれ」や「チョーキング現象」という劣化現象が起きる原因となります。
特にルーフ(屋根)やボンネット、ヘッドライトなどは紫外線によるダメージを受けやすいです。
花粉の付着
花粉は雨などで濡れると、非常に粘度の高い「ペクチン」という成分が染み出し塗装に付着し、放っておくとシミになってしまいます。
車に花粉を付着させないのは難しいので、定期的に洗車を行って、花粉がシミにならない様に対策しましょう。
鉄粉の付着
鉄工所や線路の近くに車を駐車していると、ボディに鉄粉が付着し、空気中の水分と酸素によって鉄粉が錆び、塗装が劣化する原因になります。
長い期間錆びた鉄粉を放置してしまうと、塗装の表面に影響があるだけではなく、塗装内部にまで影響を与える可能性があります。
洗車してもボディがザラザラな場合は鉄粉が付着している可能性が高いので、鉄粉取り用の粘土や鉄粉除去剤を使って除去しましょう‼
鳥のフン・樹液
鳥のフンには強力な酸性の消化液が含まれており、長い期間放置すると、塗装にシミが出来る原因となります。
樹液はベタベタとした液体で、塗装に付着してすぐに取り除けば綺麗に除去出来るのですが、長い期間放置してしまうと、固まって水に溶けにくくなり、通常の洗車では落としにくくなってしまいます。
長い期間放置すると、シミや色あせなどの原因になります。
酸性雨
酸性雨とは言葉の通り酸性の雨のことで、雨水のpH数値が5.6未満になった場合酸性雨と呼ばれています。
👇 pH数値をイラストで解説 👇
降り始めの雨程pH数値が低くなり、長雨になるとpH数値が高くなり中性に近くなります。
6月~9月の通り雨の後に気温の高い晴天になると、車の平面部の塗装はとてもダメージを受けます。
👇 酸性雨をイラストで解説 👇
水あか
車の塗装によく見られる白いシミの正体は、イオンデポジットやウォータースポットと呼ばれる汚れです。
- 【イオンデポジット】 ボディに付着した雨水や水道水が蒸発する時に、水の中のカルシウムやナトリウムなどのミネラル分だけが塗装面に残り、白く固着したものです。
イオンデポジットは、塗装にミネラル分が乗っているだけなので、専用の洗浄剤で簡単に除去出来ます。 - 【ウォータースポット】 イオンデポジットを長時間放置したことで、塗膜内部にシミが浸透し、塗装の表面が陥没した状態のことです。
ウォータースポットは、ミネラル分を除去しても残っている陥没したシミなので、コンパウンドで磨かないと除去できません。
まとめ
- 古い塗装の上に新たに塗装をする場合、古い塗装が劣化していないか (色剥げ、クリア剥げ、ブリスターなどが無いか) を目視で確認する。
- シンナーを使って、古い塗装に使用されている塗料 (1液塗料か2液塗料か) の確認を行う。
- 塗装が劣化していない2液塗料だった場合は、足付け→下色 (サフェーサー) 塗装 →上塗り塗装の順番で作業を進める。
- 塗装が劣化している、もしくは1液塗料だった場合は、古い塗装を全剥離して下地作業からやり直す。(塗装中、塗装後に問題が起こるのを防ぐため)
塗装中や塗装後に問題が起きると、塗装を剥離して、下地処理からやり直さないといけません。
やり直しをしなくても良いように、現在の塗装状態の確認作業はとても大切な作業です。
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