再塗装をする前は現在の塗装の状態の確認しよう!

下地処理解説

塗装がしてある部品の上に再塗装する場合は、古い塗装の劣化具合や使用されている塗料が1液塗料 (ラッカー塗料) なのか、2液塗料 (ウレタン塗料) なのかを確認する必要があります!

確認する理由
  • 1液塗料 (ラッカー塗料) は、耐候性 (屋外の自然環境に対しての耐久性) が低く、シンナーやガソリン、紫外線などにも弱いので、塗装してから長い時間が経過していると、塗装が劣化している可能性が高いです。

    劣化した塗装の上に新たな塗装を行うと、塗装中に問題が起きたり、塗装が完全乾燥してから問題が起きることが多いです。修正出来る程度の問題なら良いのですが、修正できない場合は初めからやり直しです。

    やり直しの可能性を少しでも減らすためには、1液 (ラッカー)、2液 (ウレタン) のどちらの塗料が使われているのかを確認がとても大切になります!

今回の記事では「現在の塗装の状態の確認方法」「劣化した塗装の画像」や「塗装が劣化する原因」などを詳しく解説していこうと思います!

スポンサーリンク

現在の塗装の状態の確認方法

まず、1液塗料 (ラッカー塗料) と2液塗料 (ウレタン塗料) の違いを簡単に解説します。

【1液塗料と2液塗料の違い】
  • 1液塗料と2液塗料の違いは、塗料に硬化剤を混ぜ合わせるか、混ぜ合わせないかです。
  • ・1液塗料=主剤塗料(色)+シンナー
  • ・2液塗料=主剤塗料(色)+硬化剤+シンナー
  • 1液塗料は、塗料中の溶剤やシンナー分が蒸発することで塗膜が硬化し、完全硬化後はガソリンやシンナーで溶けてしまいます。
  • 2液塗料は、塗料中の溶剤やシンナーが蒸発後、塗料の主成分の樹脂と硬化剤が化学反応を起こし、耐候性 (屋外の自然環境に対しての耐久性) や耐溶剤性 (ガソリンやシンナーに対する耐久性)に優れた強靭な塗膜になります。
  • 完全硬化後はガソリンやシンナーで溶けることはありません!

上記の性質を利用して現在の塗装の状態の確認を行います!

ウエストシンナーの画像
確認方法
  1. ウエスとシンナーを用意します。
    ( ウエスは、ティッシュやキッチンペーパーでもOK ! )

  2. ウエスにシンナーを大量に含ませ、塗装を拭いてみる。

シンナーで塗装が溶ければ1液塗料、シンナーで塗装が溶けなければ2液塗料という確認が出来ます。

1液塗料はシンナーで溶けますが、完全乾燥してから長い時間が経過していると、すぐには溶けない場合があります。
なので、3回程度同じ場所をシンナーで拭くと確実な確認が出来ます!

1液塗料だった場合、新たな塗装を上塗りすると塗装中に問題が発生する可能性があるので、剥離剤や研磨ペーパーなどを使って塗装を全剥離してから新たな塗装を行うことをオススメします。

2液塗料だった場合は、塗装に足付けをして再塗装をするだけでOKです!

ソフト99 08015 スプレーシンナー B-30 補修塗装の強い味方 失敗した塗装も簡単に落とせる soft99 08015 B30

価格:516円
(2024/5/19 18:58時点)
感想(0件)

劣化した塗装の画像

クリア剥げ

クリア剥げの画像

塗装が劣化し、クリア層が剥がれてしまっている塗装の画像です。

この状態の塗装の上に、新たな塗装を上塗りすることは出来ません。
塗装を全剥離し、下地処理作業からのやり直しが必要になります。

チョーキング

チョーキング(黒い手袋に白い塗料が付着している)

「チョーキング」とは、クリアを塗装していない2液塗料によく見られる劣化現象で、塗装が劣化することで塗膜中から *顔料 が分離し、塗装に粉を吹いたような状態になることです。
( 軽トラや商用車によく見られます。)


チョーキングが起こっている塗装に触れると、画像のように塗装の色の粉が付着します。

*顔料 とは、塗料に色や充填効果を与える水や溶剤に溶けない粉末のことです。顔料だけでは物体に密着することが出来ず、塗料の主成分の樹脂と混ざり合わさることで物体に密着することが出来ます。

チョーキングが起こっている塗装は、塗装が内部まで劣化している可能性があるので、塗装を全剥離し、下地処理作業からのやり直しが必要になります。

👇 チョーキングをイラストで解説 👇

ブリスター

ブリスターの画像

「ブリスター」とは、塗装前の不純物 ( 水分、油分、汗、研磨カスなど ) の除去が不十分だった塗装に、時間が経ってから膨れが生じる現象の事です。

👇 ブリスターをイラストで解説 👇

塗装は呼吸していると言われています!
塗装には目には見えない小さな穴があり、その穴から空気中の酸素や水分を塗装内に取り込み、外へ出しています。

チヂミ

チヂミの画像

「チヂミ」とは、上塗り塗料の溶剤やシンナー分が古い塗装に浸透し、画像のように塗膜にシワが発生する現象の事です。

【チヂミが発生する原因】
  1. 酷く劣化している塗装の上に新たな塗装を行った
  2. 古い塗装に1液塗料が使用されている (1液塗料は劣化しやすい )
  3. 硬化剤の配合量が少ない2液塗料の上に新たな塗装を行った

塗装中にチヂミが発生した場合は、塗装を全剥離し、下地処理作業からのやり直しが必要になります。

塗装が劣化する原因

塗装が劣化する原因には、「紫外線」「花粉の付着」「鉄粉の付着」「鳥のフン や 樹液の放置」「酸性雨 または 水あか」などがあります。

紫外線

紫外線による劣化現象

塗装が劣化する一番の原因は紫外線と言われており、長年にわたって紫外線を浴び続けると「塗装剥がれ」や「チョーキング現象」という劣化現象が起きる原因となります。
特にルーフ(屋根)やボンネット、ヘッドライトなどは紫外線によるダメージを受けやすいです。

花粉の付着

花粉が多い時期の自動車のボディ

花粉は雨などで濡れると、非常に粘度の高い「ペクチン」という成分が染み出し塗装に付着し、放っておくとシミになってしまいます。
車に花粉を付着させないのは難しいので、定期的に洗車を行って、花粉がシミにならない様に対策しましょう。

鉄粉の付着

鉄工所や線路の近くに車を駐車していると、ボディに鉄粉が付着し、空気中の水分と酸素によって鉄粉が錆び、塗装が劣化する原因になります。
長い期間錆びた鉄粉を放置してしまうと、塗装の表面に影響があるだけではなく、塗装内部にまで影響を与える可能性があります。
洗車してもボディがザラザラな場合は鉄粉が付着している可能性が高いので、鉄粉取り用の粘土や鉄粉除去剤を使って除去しましょう‼

鳥のフン・樹液

鳥のフンには強力な酸性の消化液が含まれており、長い期間放置すると、塗装にシミが出来る原因となります。

樹液はベタベタとした液体で、塗装に付着してすぐに取り除けば綺麗に除去出来るのですが、長い期間放置してしまうと、固まって水に溶けにくくなり、通常の洗車では落としにくくなってしまいます。
長い期間放置すると、シミや色あせなどの原因になります。

酸性雨

酸性雨とは言葉の通り酸性の雨のことで、雨水のpH数値が5.6未満になった場合酸性雨と呼ばれています。

👇 pH数値をイラストで解説 👇

降り始めの雨程pH数値が低くなり、長雨になるとpH数値が高くなり中性に近くなります。
6月~9月の通り雨の後に気温の高い晴天になると、車の平面部の塗装はとてもダメージを受けます。

👇 酸性雨をイラストで解説 👇

水あか

水アカの画像

車の塗装によく見られる白いシミの正体は、イオンデポジットやウォータースポットと呼ばれる汚れです。

  • 【イオンデポジット】 ボディに付着した雨水や水道水が蒸発する時に、水の中のカルシウムやナトリウムなどのミネラル分だけが塗装面に残り、白く固着したものです。

    イオンデポジットは、塗装にミネラル分が乗っているだけなので、専用の洗浄剤で簡単に除去出来ます。
  • 【ウォータースポット】 イオンデポジットを長時間放置したことで、塗膜内部にシミが浸透し、塗装の表面が陥没した状態のことです。

    ウォータースポットは、ミネラル分を除去しても残っている陥没したシミなので、コンパウンドで磨かないと除去できません。

まとめ

  1. 古い塗装の上に新たに塗装をする場合、古い塗装が劣化していないか (色剥げ、クリア剥げ、ブリスターなどが無いか) を目視で確認する。
  2. シンナーを使って、古い塗装に使用されている塗料 (1液塗料か2液塗料か) の確認を行う。
  3. 塗装が劣化していない2液塗料だった場合は、足付け→下色 (サフェーサー) 塗装 →上塗り塗装の順番で作業を進める。
  4. 塗装が劣化している、もしくは1液塗料だった場合は、古い塗装を全剥離して下地作業からやり直す。(塗装中、塗装後に問題が起こるのを防ぐため)

塗装中や塗装後に問題が起きると、塗装を剥離して、下地処理からやり直さないといけません。
やり直しをしなくても良いように、現在の塗装状態の確認作業はとても大切な作業です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました