自動車用の塗料を選ぶときに、「ラッカー」と「ウレタン」という名前を聞いたことがある方、多いと思います。
ホームセンターに売っている「ウレタン」と書かれた缶スプレーは、通常の缶スプレーと比べて、値段が倍くらい高いです。
今回の記事は、上記のような疑問を解決していこうと思います。
塗装経験が少ない方にも分かりやすいように専門用語を使わず詳しく解説しているので、是非最後まで目を通してみてください。
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ラッカー塗料とウレタン塗料の違い
- ラッカー塗料とは、硝化綿(ニトロセルロース)+樹脂(アルキド樹脂、アクリル樹脂)+可塑剤を主成分とした塗料のことです。
- ウレタン塗料とは、アクリルポリオール樹脂とイソシアネート樹脂が反応してできるウレタン樹脂を主成分とした塗料のことです。
難しい名前ばかりの主成分について解説しましたが、上記のような内容はそこまで大切ではありません‼
自動車の塗装には、必ず2液塗料 ( ウレタン塗料 ) が使用されています。
ウレタン塗料の缶スプレーの値段が高い理由は、自動車の塗装と同じくらい強い塗装が出来るからということです。
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ラッカー塗料とウレタン塗料の乾燥・硬化
塗装した塗料中の溶剤やシンナー分が蒸発後、樹脂が固化し、硬い塗膜になることを乾燥または硬化といいます。
塗料は完全硬化することで、塗膜性能を発揮します。
1液塗料の乾燥
1液塗料は、塗料中の溶剤やシンナー分が蒸発することで、塗膜が硬化します。
塗膜が硬化する時に樹脂は化学変化しないので、完全硬化後にガソリンやシンナーで拭くと溶けてしまいます。
2液塗料の乾燥
塗料中の溶剤やシンナーが蒸発後、樹脂と硬化剤が化学反応を起こし、ガソリンやシンナーで拭いても溶けない強靭な塗膜になります。
ラッカー塗料とウレタン塗料がガソリンとシンナーで溶けるか実験
ラッカー塗料 ( 1液塗料 ) とウレタン塗料 ( 2液塗料 ) は、「ガソリンとシンナーに溶けるのか?」という実験を動画で解説します。
【結論】
ラッカー塗料 (1液塗料) は、ガソリンとシンナー両方に溶けました。
ガソリンが付着する可能性があるバイクのタンクなどには、使用しない方が良いでしょう!
ウレタン塗料 (2液塗料) は、ガソリンとシンナー両方に溶けませんでした。
耐候性 (屋外の自然環境に対しての耐久性) や耐溶剤性 (ガソリンやシンナーに対する耐久性) に優れた強靭な塗膜になので、自動車やバイクの外装部品の塗装にも安心して使えます!
ラッカー塗料の長所・短所
・乾燥が早い
・値段が安く、手に入れやすい(ホームセンターなどで買える)
・繰り返し使える
・硬化剤との配合がないので誰でも簡単に使える
・ガソリンやシンナーに溶ける
・屋外の自然環境 ( 紫外線や雨 ) に対しての耐久性が低い
・溶解力の強いシンナーを使用しているので、塗装面の下地が悪いと、チジミなどの問題が発生する可能性が高い
ウレタン塗料の長所・短所
・ガソリンやシンナーに強い(溶けない)
・屋外の自然環境 ( 紫外線や雨 ) に対しての耐久性が高い
ウレタン塗料の短所
・値段が高い
・乾燥に時間がかかる
・硬化剤と混ぜ合わせるため、再使用できない (時間が経つと固体になる)
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まとめ
1液塗料と2液塗料の違いは、硬化剤を混ぜ合わせるかどうかです。
硬化剤を混ぜ合わせることで、耐候性 (屋外の自然環境に対しての耐久性) や耐溶剤性 (ガソリンやシンナーに対する耐久性) に優れた強靭な塗膜になります。
自動車の塗装は、下地 ( サフェーサー ) → 色 → クリア の順で塗装します
サフェーサーと色は、1液塗料でも2液塗料でもどちらでも構いません。
トップコート ( 1番上の塗装 ) のクリアに1液塗料を使用するか2液塗料を使用するかで、耐候性や耐溶剤性などが変わってきます。
自動車やバイクの外装部品のクリア塗装は、ウレタンのクリア ( 2液塗料 ) を使用することをオススメします。
自動車の内装部品などのクリア塗装には、ラッカークリア ( 1液塗料 ) を使用しても良いと思います。
簡単に手に入りますし、乾燥も早いので、とても便利です!
それぞれの塗料の長所と短所をしっかり理解し、使用する場所によって使い分けをするとよいと思います。
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