車の部品を塗装するならラッカー塗料とウレタン塗料、どちらを選ぶべき?塗料の選び方も詳しく解説します‼

投稿の表紙基礎知識

自動車用の塗料を選ぶとき「種類がたくさんあって、どの塗料を買えばいいんだろう」と悩んだ経験ありませんか?

  • 缶スプレーを使うべきなのか?スプレーガンを使うべきなのか?
  • ラッカー塗料やウレタン塗料、1液塗料や2液塗料、種類がたくさんあってわからない
  • 塗料メーカーもたくさんあって、塗料について調べれば調べるほどわからない

今回の記事は、こんな悩みを解決していこうと思います。

<span class="fz-18px"><span class="fz-12px">ふじもん</span></span>
ふじもん

塗装経験が少ない方にも分かりやすいように、専門用語を使わず詳しく解説しているので、是非最後まで目を通してみてください。

スポンサーリンク

ラッカー塗料とウレタン塗料の違い

ラッカー塗料とは、硝化綿(ニトロセルロース)+樹脂(アルキド樹脂、アクリル樹脂)+可塑剤を主成分とした塗料のことです。

ウレタン塗料とは、アクリルポリオール樹脂とイソシアネート樹脂が反応してできるウレタン樹脂を主成分とした塗料のことです。

上記のような内容はそこまで大切ではありません‼

覚えておいてもらいたいのが、ラッカー塗料は硬化剤を含まない1液塗料というものに分類され、ウレタン塗料は硬化剤を含む2液塗料というものに分類されます。

・1液塗料=主剤塗料(色)+シンナー(塗料薄め液)
・2液塗料=主剤塗料(色)+*硬化剤+シンナー(塗料薄め液)

*【硬化剤】は、主に2液塗料に加えて使用するもので、塗料の主成分である樹脂と硬化剤が化学反応を起こすと、強い塗膜が出来ます。

👇 スプレーガンの使い方を詳しくまとめた記事はこちら 👇

ラッカー塗料とウレタン塗料の乾燥・硬化

塗装した塗料中の溶剤やシンナー分が蒸発後、樹脂が固化し、硬い塗膜になることを乾燥または硬化といいます。
塗料は完全硬化することで、塗膜性能を発揮します。

1液塗料の乾燥

1液塗料は、塗料中の溶剤やシンナー分が蒸発することで硬化した塗膜になります。
塗膜になる時樹脂は化学変化しないので、乾燥後にシンナーで拭くと溶けてしまいます

2液塗料の乾燥

塗料中の溶剤やシンナーが蒸発後、樹脂と硬化剤が化学反応を起こし、溶剤やシンナーに溶けない強靭な塗膜となります。

ラッカー塗料とウレタン塗料がガソリンとシンナーで溶けるか実験

ガソリンとシンナーで溶けるかの実験

ラッカー塗料(1液塗料)とウレタン塗料(2液塗料)がガソリンとシンナーで溶けるかの実験動画です。

ラッカー塗料(1液塗料)は、ガソリンとシンナー両方に溶けました。
バイクのタンクや車の給油口付近の塗装には向いていません。

ウレタン塗料(2液塗料)は、ガソリンとシンナー両方に溶けませんでした。
バイクや車の塗装に向いています。

ラッカー塗料の長所・短所

ラッカー塗料の長所

・乾燥が早い
・値段が安く、手に入れやすい(ホームセンターなどで買える)
・繰り返し使える
・塗料配合がないので誰でも簡単に使える

ラッカー塗料の短所

・強烈な臭いがする
・乾燥後でも、ガソリンやシンナー類で拭くと塗装が溶ける
・溶解力が強いシンナーを使用しているため、塗装面の下地が悪いと、塗装中に問題が発生する可能性が高い
・塗装後、屋外では長持ちしない(耐久性が低い)

ウレタン塗料の長所・短所

ウレタン塗料の長所

・ガソリンやシンナーなどに強い(溶けない)
・仕上がりが綺麗
・塗装後、屋外でも長持ちする(耐久性が高い)

ウレタン塗料の短所

・塗料の値段が高い(配合が必要になるため、塗料の量も多い)
・乾燥に時間がかかる
・硬化剤を使用するため、再使用できない(時間が経つと塗料が固まる)
・スプレーガンが必要(ある程度のエアー設備も必要)

👇 スプレーガン塗装に必要なエアー設備を詳しくまとめた記事はこちら 👇

まとめ

自動車やバイクなどの外装部品を塗装する場合は、ウレタン塗料(2液塗料)を使用することをオススメします。

特にバイクの燃料タンクや車の給油口付近は、ガソリンをこぼす可能性が高いのでウレタン塗料を使用するようにしましょう‼

自動車の内装部品や室内に置くものは、ラッカー塗料(1液塗料)で塗装してもいいと思います。
簡単に手に入りますし、乾燥も早いのでとても便利です。

それぞれの塗料の長所と短所をしっかり理解して、使い分けをするといいと思います。

スポンサーリンク

自動車用塗料を購入する時に気を付けること

自動車の塗装には

  • 色(1液)→クリア(2液)
  • 色(2液)→クリア(2液)
  • 色(2液)のみ

この3パターンがあります。

色は1液でも2液でも構いませんが、クリアは必ず2液を使用します。

色に2液塗料を使用した場合、硬化剤を配合しているのでクリアは無しでもOK
軽トラや軽バスなどの白色は、クリアを塗装されていないことがほとんどです。

「1液塗料の上から2液塗料を塗装しても大丈夫?」と思う方もいると思いますが、自動車用の1液塗料は、クリアを上塗りする前提で塗料が作られているので問題ないです。
市販のラッカー塗料(1液塗料)の上に、スプレーガンで2液クリアを塗装することはオススメしません。
(市販のラッカー塗料は、2液クリアに混ぜ合わせるシンナーに耐えられない可能性があります。)

塗料くん
塗料くん

メーカーが違う塗料を組み合わせるのはどうなの?

(例) 

 (カスタムペイントメーカー)+クリア(日本ペイント) 

<span class="fz-16px"><span class="fz-14px">ふじもん</span></span>
ふじもん

僕は会社で、日本ペイントの色とクリアを使用しています。

色のみ他メーカーの塗料を使用し、上塗りで日本ペイントのクリアを使用することもありますが、問題が起きたことはありません。

相性の悪い塗料もあるかもしれませんが、自動車塗料メーカー同士なら大丈夫だと思います‼

メーカー違いよりも塗料を購入する際に最も気を付けないといけないのが、シンナーと硬化剤は必ず使用する塗料専用のものを購入するということです。

硬化剤とシンナーは同じメーカーに複数存在します
必ず下調べをして、色と色専用のシンナーをセットで、クリアとクリア専用のシンナーと硬化剤をセットで購入するようにしましょう‼

塗装塾が使用している塗料紹介

塗料メーカー日本ペイント

1液塗料 色:アドミラe3 シンナー:スタビ 

2液塗料 色:スペリオ シンナー:マルチ 硬化剤:ウルトラハードナー 

2液クリア クリア:マルチエコ GLクリアー シンナー:マルチ 硬化剤:ウルトラハードナー

配合率

1液塗料(アドミラe3)の配合計算
  • 塗料(アドミラe3)に対してシンナー(スタビ)を 40% 入れる

    (例) 塗料が 100g の場合、シンナーは 40g
    (考え方) 100g の 10% = 10g、40% なので ×4 をして 40g  

    (計算) 100 × 0.4 = 40
2液塗料(スペリオ)の配合計算
  • 塗料(スペリオ)に対して 8:1 の割合で硬化剤(ウルトラハードナー)を入れる
    塗料(スペリオ)に対してシンナー(マルチ)を 60% 入れる

    (例) 塗料が 100g の場合、硬化剤は 12.5g シンナーは 60g
    (考え方) 100g の 8:1 は 100g を 8つに分けた 1つ分なので 12.5g、100g の 10% = 10g、60% なので ×6 をして 60g

    (計算) 100 ÷ 8 = 12.5、100 × 0.6 = 60
2液クリアの配合計算
  • クリアに対して 3:1 の割合で硬化剤(ウルトラハードナー)を入れる
    クリアに対してシンナー(マルチ)を 20% 入れる

    (例)クリアが 100g の場合、硬化剤は 34g シンナーは 20g
    (考え方) 100g の 3:1 は 100g を 3つに分けた 1つ分なので 33.4g 、100g の 10% = 10g、20% なので ×2 をして 20g

    (計算) 100 ÷ 3 = 33.4、100 × 0.2 = 20

硬化剤の割合計算で数字が割り切れなかった場合は、小数点以下の数字を切り上げして、多めに入れましょう。(少ないと硬化不良が起きる可能性あり)

シンナーの量は、多少前後しても問題ありません。

市販のウレタン(2液)缶スプレー

2液缶スプレーと1液缶スプレー

スプレーガンを使用する塗装は、エアー設備やエアー工具、塗料 などたくさんの道具と材料が必要になります。
「ちょっと小さい部品を塗装したい」「エアー設備、エアー工具を揃えても何回使うかわからない」と思う方も多いのではないでしょうか。
そんな方にオススメなのが、ホームセンターやオートバックスで購入できるウレタン缶スプレーです。

画像の缶スプレーはソフト99の商品で、2液缶スプレーが約2500円、1液缶スプレーが約1000円でした。
缶スプレーにしては少し値段が高く感じるかもしれませんが、スプレーガン塗装をするより断然安いです。

👇 ウレタン缶スプレーを詳しく解説している記事はこちらから 👇

まとめ

自動車の外装パーツの塗装にはウレタン塗料が適していますが、ある程度塗料の知識とスプレーガンの知識が必要になります。

なので「塗装に挑戦してみたいけど、難しそうだからやめよう」と思うも方多いと思いますが、要点だけしっかり理解すれば、誰でも自家塗装出来ますよ‼

今回の記事やリンク先の記事を読んで、少しずつ塗装を勉強して、自家塗装に挑戦してみてください。

ふじもん
ふじもん

塗装塾は、塗装に挑戦したいと思っている方を全力で応援してます‼

コメント

タイトルとURLをコピーしました