【重要】スプレーガン使用後の洗浄方法を分かりやすく解説します‼

スプレーガン

スプレーガンの中で塗料が硬化してしまうと、エアキャップの穴の詰まりやトリガーの動きが悪くなってしまって、うまく塗装出来なくなってしまいます。
なので、スプレーガンを使用した後はすぐに洗浄する必要があります。

「スプレーガンの使い方は調べたけど、洗浄方法を調べるのを忘れていて困った」という話をよく耳にします。

  • スプレーガン使用直後の洗浄のやり方
  • スプレーガンの分解洗浄のやり方

今回の内容は、上記の2点を動画と画像を使って分かりやすく解説していこうと思います。

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スプレーガン使用直後の洗浄のやり方

使用後の汚れたスプレーガン

スプレーガンを使用した後は、スプレーガンの中で塗料が固まってしまう前に綺麗に洗浄する必要があります。

1液塗料はシンナーで溶けるので、スプレーガンの中に塗料が残っている状態で1~2時間放置しても問題ないのですが、2液塗料を1~2時間放置してしまうと、塗料が完全硬化してしまい、除去出来なくなる可能性があるので、スプレーガン使用後すぐに洗浄する必要があります‼

用意する物

スプレーガンの洗浄に必要な道具

スプレーガン使用直後の洗浄には、「ウエス」「シンナー」「ブラシ」「空き缶」「保護手袋」などの道具を用意します。

シンナー

スプレーガンの洗浄に使用するシンナーは、洗浄用シンナー購入するか、2液塗料に使用したシンナーを使用します。
画像のような、小分けの入れ物があると使いやすいです‼

ウエス

ガンカップの中や、スプレーガンの外側を拭き上げるのに使用します。
布ウエス、紙ウエスどちらでも良いです。
キッチンペーパーなどで代用することも可能です。

保護手袋

溶剤は、呼吸器から体内に侵入すると思っている方が多いですが、皮膚からも体内に侵入します‼
溶剤を使用する作業を行う場合は
必ず手袋を着用してください‼

溶剤に強い耐溶剤手袋というものも存在しますが、値段が高く、溶剤を扱う作業以外の作業には使えないのであまりオススメしません。
なので、研磨作業や手を汚したくない作業にも使用できるゴム手袋がオススメです。(画像のブラックニトリルグローブは、普通のゴム手袋に比べて溶剤に強いのでオススメです。)

空き缶

処分する塗料やシンナーを一時的に溜めておくために空き缶を使用します。
シンナーは *揮発 するので、フタ付きの空き缶を使用しましょう。

*【揮発】とは、常温で液体が気体になること

少量の塗料であれば、ウエスや新聞紙などに染み込ませ、完全に溶剤分を揮発させれば燃えるごみとして処分可能ですが、処分する量が多くなるとそうはいきません。
大量の塗料を処分する場合は、缶の中に処分する塗料や溶剤を溜めておいて、お近くの塗装屋さんにお願いして処理してもらいましょう‼

ブラシ

細かいところの掃除や、こびりついた塗料を除去するのに使います。
シンナーとウエスだけでも洗浄は可能ですが、ブラシがあると掃除の質が上がります。

洗浄方法

ガンカップの中に残った塗料を空き缶に捨てる

まず、スプレーガンの中に残っている塗料を用意した空き缶に捨てます。

ガンカップにシンナーを入れ、スプレーガンを振る

次に、ガンカップにシンナーを注ぎ、フタをしてよく振り、ガンカップの中に付着している塗料を洗います。
(ガンカップのフタには小さな穴が開いていて、スプレーガンを振ると穴からシンナーが出てきてしまうので、フタの穴は指で塞ぎながらスプレーガンを振るようにしましょう。)

汚れたシンナーを排出

汚れたシンナーは空き缶に捨てます。
エアーを繋がずトリガーを引くと、画像のように塗料吐出口からシンナーを排出することが出来ます。
このやり方でシンナーを排出することで、塗料の通り道に溜まった汚れたシンナーも排出することが出来ます。

「ガンカップにシンナーを注ぎ、スプレーガンを振る ➡ 汚れたシンナーを空き缶に排出
ガンカップに注いだシンナーに色が付かなくなるまで、この作業を2~3回繰り返します。

ガンカップの中を綺麗に拭き上げる

ここで一旦ウエスでガンカップの中を綺麗に拭き上げます。

ガンカップにシンナーを入れ、うがいを行う

次に、ガンカップにシンナーを注ぎ、うがいを行います。

スプレーガンのうがいとは、塗料の吐出口を指でふさぐことで、本来スプレーガンから吐出されるはずだったエアーとシンナーの行き場が無くし、ガンカップにシンナーを逆流させることをスプレーガンのうがいと呼びます。
この原理を利用して塗料の通り道を洗浄します‼

※うがいについては後程詳しく解説します‼

先程と同様、うがいを行って汚れたシンナーは、吐出量を2回転程開け、エアーを繋がずトリガーを引き、空き缶にシンナーを排出します。

「ガンカップにシンナーを注ぎ、うがいを行う ➡ 汚れたシンナーを空き缶に排出」
ガンカップに注いだシンナーに色が付かなくなるまで、この作業を2~3回繰り返します。

細かい部分をブラシで洗浄、スプレーガンの内側、外側をウエスで拭き上げ

最後に、ブラシで細かい部分を洗浄し、スプレーガンの内側と外側をウエスで綺麗に拭き上げて終了です。

エアキャップの穴の詰まりの確認

スプレーガン洗浄終了後は、「エアキャップの穴が詰まっていないかの確認」を必ず行ってください‼

エアキャップの穴が詰まってしまうと、正常に塗料が吐出されなくなってしまいます。
蛍光灯の光などを利用して、穴が詰まっていないかの確認を行ってください‼
エアキャップの確認を行うまでが、スプレーガンの洗浄です。

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スプレーガンのうがいとは

先程も説明しましたが、塗料の吐出口を指でふさぐことで、本来スプレーガンから吐出されるはずだったエアーとシンナーの行き場が無くし、ガンカップにシンナーを逆流させることをスプレーガンのうがいと呼びます。

うがいをする理由
  • 塗料が通る通路を洗浄するため
  • 塗料が通る通路が綺麗に洗浄できたかの確認をするため


塗料が通る通路はシンナーを通すだけだと綺麗にならず、ブクブク泡を立てることで、通路の壁面に付着している塗料を洗浄することが出来ます。

この時、透明なシンナーに色が付くようならまだ塗料が残っているということ。
シンナーに色が付かなくなれば、綺麗に洗浄できたという判断が出来ます‼

うがいをする時は、目にシンナーが入ると危ないのでガンカップの中を覗かない‼
もしくは、ガンカップにフタをしてうがいを行う‼

スプレーガンのうがいのやり方

エアー圧の調整

まず、エアー圧の調整ダイヤルを全閉状態まで締め込み、ほんの少しだけ開きます。

吐出量の調整

塗料吐出量の調整ダイヤルも全閉状態まで締め込み、ほんの少しだけ開きます。

スプレーガンのうがいに、パターン幅の調整は関係ありません。
エアー圧と塗料吐出量の調整ダイヤルを全閉状態まで締め込み、ほんの少しだけ開きます。

塗料吐出口を指でふさぐ

塗料吐出口を指で軽くふさぎます。
(画像は分かりやすいように素手で塗料の吐出口をふさいでいますが、必ず手袋を着用してください‼)

塗料吐出口を指で軽く押さえ、トリガーを引く

そして、エアーを繋ぎ、トリガーを引くとうがいをすることが出来ます。

スプレーガンの分解洗浄のやり方

スプレーガン使用後の洗浄は簡易的な洗浄です。
毎回きちんと洗浄を行っていれば、スプレーガンの詰まりなどの問題が起こることはあまりないと思いますが、スプレーガンの内部には汚れが残っています。
なのでスプレーガンを5回使用したうちの1回くらいは、スプレーガンを分解洗浄する必要があります。

用意する物

スプレーガン使用直後の洗浄には、「ウエス」「シンナー」「ブラシ」「空き缶」「保護手袋」などに加え、「丸缶」と「スプレーガン洗浄用ブラシセット」を用意します。

丸缶

丸缶は、缶の中にシンナーをたっぷり入れ、汚れが酷い部品をシンナーで浸け置きする時や、汚れた部品を洗浄する時、台の上にシンナーがポタポタ落ちないように丸缶を下に置いて受けます。

ホームセンターで1000円程度で手に入れることが出来ます。

スプレーガン洗浄用ブラシセット

スプレーガン洗浄用ブラシセット

スプレーガンの分解洗浄には、専用のブラシセットがあります。

通常の歯ブラシタイプのブラシだけではなく、穴の中の洗浄に使用するブラシや、小さな穴の詰まりを通す時に使用する細い棒などがあります。

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洗浄方法

分解したスプレーガン

まず、スプレーガンを分解します。

スプレーガンの分解は難しくありませんが、画像上側のニードルの取り外しが少し難しいので、取り外し方を簡単に解説していこうと思います。

ニードルの取り外し方

吐出量調整ダイヤルを外すと、ニードルが出てきます。
ニードルはトリガーを引くと、少し後ろに出てきます。(ニードルを抜きやすくするため)

ニードルの取り外し方2

そして、引き抜きます。

長い期間スプレーガンの分解洗浄していないと、ニードルが硬くて抜けない場合があります。
その場合は、ニードルに付着している塗料がカチカチに固まってしまっているだけなので、ニードルにタオルなどを巻いて、ペンチなどで引き抜いてください‼

分解した部品をシンナーに浸け込む

ニードルが引き抜けたら、「ガンカップ」「ガンカップのフタ」「ニードル」「エアキャップ」を丸缶に入れたシンナーに約1時間ほど浸け置きします。

硬化剤が入った2液塗料はシンナーに強く、1度固まってしまうとなかなか除去できませんが、長時間シンナーに浸け置きすると簡単に除去出来ます。

ニードルに付着している塗料を綺麗に除去すれば、ニードルの動きも良くなりますし、軽い力で引き抜けるようになります。

樹脂部品が使われていないエアキャップ(左)と樹脂部品が使われているエアキャップ(右)

スプレーガンの部品をシンナーに浸ける時は、樹脂素材のリングやパッキンが使用されていないかの確認を必ず行ってください‼
樹脂はシンナーに弱いので、浸け置きしている間に柔らかくなってしまって、本来の役割を果たせなくなり、組み立て後にエアー漏れなどを起こす可能性があります。

上の画像の左側のエアーキャップは樹脂部品が使われていないので、シンナーに浸けても良いです。
右側のエアーキャップは樹脂部品が使われているので、シンナーに浸けることが出来ません。

スプレーガン洗浄の専用ブラシで穴の掃除1

あとはスプレーガン洗浄の専用ブラシに軽くシンナーをつけ、穴の中に付着した塗料を綺麗に洗浄していきます。

スプレーガン洗浄の専用ブラシで穴の掃除2

ニードルが入っていた穴の中にも塗料が付着しているので、細めのブラシで洗浄し、シンナーを流し込んで洗い流します。
分解しないと洗浄できない場所を徹底的に洗浄します‼

細い棒を使ってエアキャップの穴を通す

ブラシで洗浄するだけではなく、細い棒を使ってエアキャップの穴を通します。
エアキャップの穴は、穴は開いているけど汚れで穴が狭くなっている場合もありますので、細い棒でしっかり通します‼

スプレーガンの拭き上げ

分解洗浄が終わったら、分解と逆の順番でスプレーガンを組み立て、スプレーガン全体をウエスで綺麗に拭き上げて終了です‼

エアキャップの穴が詰まってしまった場合

エアキャップの穴が塞がってしまうとどうなるのか実験してみました。

エアキャップ

同じエアキャップを用意し、片方のエアキャップの穴を硬化剤入りのサフェーサーで塞ぎます。
穴の通っているエアキャップをA、穴が塞がっているエアキャップをBとします。

エアキャップの詰まり実験

パターン幅、吐出量、エアー圧すべて同じです。
Aは綺麗な扇形で塗料が噴出されていますが、Bは上側の塗料が少なく見えます。
Bの状態で塗装すると、パターンの重ねがうまくできそうにありません。

小さな穴ですが、とても大切な役割があります。
穴が塞がらない様に、洗浄後は必ず確認するようにしましょう‼

まとめ

スプレーガンの洗浄をしっかり行わないと、塗料が正常に吐出できなくなってしまいます。

スプレーガン使用直後の洗浄だけではなく、分解洗浄もとても大切です‼

  • 洗浄に必要な道具
  • 洗浄する時に気を付けること
  • 洗浄が不十分だったらどうなるのか

今回の記事では、上記の3点についてまとめました。
この3点をしっかり理解していれば、スプレーガンを長く綺麗に使用できると思います‼

スプレーガンを洗浄する機会があれば、是非参考にしてみてください。

スプレーガンの洗浄を行う時は、防毒マスク、手袋、保護メガネを着用し、換気の良い場所で行うようにしてください‼

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