【知っておきたい】塗装中に起こるトラブルの種類と原因、対処法を詳しく解説‼

塗装トラブル

缶スプレーやスプレーガンで塗装をしている時、「塗りムラが出来てしまった」「塗装が垂れてしまった」「ゴミが付着してしまった」なんて経験ありませんか?
塗装中は、予期せぬトラブルが起こる可能性があります!

「トラブル=失敗」というわけではありません!

トラブルの種類、原因、対処法さえ分かっていれば、落ち着いて修正することが出来ます。

そこで今回は、塗装中に起こるトラブルの種類と原因、そしてその対処法についてについて詳しく解説していこうと思います。

<span class="fz-16px"><span class="fz-14px">ふじもん</span></span>
ふじもん

塗装中のトラブルは、塗装環境や天候の変化などで起こりやすいです。
トラブルが起きても、焦らず修正することが大切ですよ!

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トラブル① ブツ・ゴミ

「ブツ・ゴミ」とは、塗装中や塗装後の塗装面に付着した固まり状のゴミや繊維くずなどの事です。
塗装面に付着していたホコリや空気中に存在するホコリ、衣服に付着していたホコリ、塗料内に混入した異物などがブツになります。

主な原因
  1. 塗装前のホコリ除去が不十分だった
  2. ホコリが舞い上がりやすい塗装する環境で塗装を行った (砂の上や周辺にホコリが多い倉庫など)
  3. 塗料のろ過が不十分(塗料内にゴミが残っていた)
  4. 使用するスプレーガンの掃除が不十分(ガンカップの中に塗料のカスやウエスのホコリなどが残っていた)
  5. ホコリが舞いやすい衣服を着用して塗装を行った(ナイロン生地の服がオススメ!)
予防策
  1. 塗装する場所だけ掃除するのではなく、塗装台や周辺も綺麗に掃除しておく(エアーでホコリを飛ばす、水拭きでホコリを取り除くなど)
  2. 塗装前にタッククロスとエアーを使用して、しっかりホコリを取り除く
  3. スプレーガンに塗料を入れる際は、ストレーナーで塗料をろ過する
  4. 塗装前にスプレーガンのガンカップの中が綺麗に掃除出来ているか確認する
  5. 着用している衣服や周辺(壁や床)に水を撒く (水を撒くことで、ホコリは舞い上がらなくなる)
補修方法
  1. 1液塗料(速乾塗料)の塗装中にゴミが付着した場合、乾燥させた後 (速乾塗料なのですぐに乾燥する)、マスキングテープやピンセット、細い針などを使って取り除く。
    (周辺のマスキングテープなどを指で強めに押してみて、指型がつかない程度までしっかり乾燥させよう!)
  2. 2液塗料やクリアなどの乾燥が遅い塗料の塗装中にゴミが付着した場合、目立たない色 (黒い塗装に黒いゴミなど) の小さいゴミは乾燥後に研磨、磨きをすれば良いので無視する!
    目立つ色 (白い塗装に黒いゴミなど) の大きいゴミは、乾燥を待たずにピンセットや針でゴミを除去する。
    ↳  ホコリのみを除去できるように慎重に作業する!(無理に除去しようとすると、余計に目立つ場合がある)
    無理だと判断した場合、完全乾燥後にカッターなどで除去する。
  3. 塗装乾燥後にゴミがある場合、ゴミ取り用の目の細かいペーパー(1500番~3000番程度)でゴミを削り落とし、コンパウンドでペーパー目を除去する。

トラブル② ハジキ

ハジキの画像

「ハジキ」とは、油脂分や異物が付着している部分だけ塗料が密着しなかったり、塗膜に凹みが出来たりする状態の事です。

上の画像は、白い塗装の上に黒い塗装をした画像です。
白色の点は、塗装面に付着した油脂分が原因で黒色の塗装が弾いてしまい、下の白色が見えている状態です。

主な原因
  1. 塗装を行う場所に油脂分やワックス、テープの粘着などが付着している
  2. エアーコンプレッサーからのエアーに油分が含まれている
  3. 洗車ワックス、ボディコーティングなどが残っている
予防策
  1. 塗装を行う場所は入念に脱脂作業を行う(狭く手が入りにくい場所は、歯ブラシなどを使って脱脂作業を行う)
  2. ウエスは油脂分の付着していない綺麗なものを使用する (ウエスに油脂分が付着していると、脱脂しているつもりが、油脂分を塗り伸ばしていることになる!)
  3. コンプレッサーから出る水分や油分は、ウォーターセパレーターやミストセパレーターなどでしっかり除去する
  4. 塗装前は周辺で、ワックスがけやコンパウンドを使用する磨きは行わない
  5. 脱脂後は、塗装面を素手で触らない(手袋を着用する)
  6. 塗装を行う時は、捨て吹きをしてハジキがないか確認をしてから本塗りをする
補修方法
  1. 塗装中に小さなハジキが起きた場合、少し乾燥させ、スプレーガンの距離を離し気味で塗装しハジキを埋める。(塗装ミストで穴を埋めるイメージ)埋まったら普通に塗装する
  2. 塗装中に大きなハジキが起きた場合、少し乾燥させ、筆や爪楊枝などでハジキを埋める。埋まったら普通に塗装する
  3. 塗装面全面にハジキが起こった場合、塗装をやめて完全乾燥させてから、1000番程度のペーパーで平らになるまで研磨し、再度塗装する

トラブル③ ゆず肌

ゆず肌の画像

みかんの皮の表面のような、少しザラザラした塗装面の事を「ゆず肌」と呼びます。
塗装した塗料が平滑になりきれずに乾燥した状態で、塗装の条件や塗料の厚みなどに問題があります。

👇 通常の塗り肌 👇

通常の塗り肌

主な原因
  1. 塗料粘度が高い(シンナーが少ない、ドロドロ)
  2. 蒸発の早いシンナーを使用した(使用したシンナーが気温に合っていない、乾燥が早い)
  3. 塗装が薄い(平滑になる状態に達していない)
予防策
  1. 使用する塗料のカタログに記載されている割合でシンナーを混ぜあわせる
  2. 塗装する時の気温に適したシンナーを使用する
  3. スプレーガンの距離を少し近くする。または、スプレーガンを動かすスピードを遅くする(塗装を濃くするため)
  4. ライトで確認しながら塗装する(塗り肌を確認しながら塗装する)
補修方法
  1. 軽度の場合、しっかり乾燥させた後、2000番~3000番のペーパーで研磨しコンパウンドで磨きをかける(磨きすぎると色が剥げるので注意)
  2. 重度の場合、800番~1000番程度のペーパーで平滑に研磨し、水拭き、脱脂後に再塗装する

トラブル④ 垂れ、流れ

塗料の塗り込みすぎで、塗料が部分的に流れた状態の事を「垂れ、流れ」と言います。

主な原因
  1. 塗料の粘度が低い(シンナーが多い、シャバシャバ)
  2. 蒸発の遅いシンナーを使用した(使用したシンナーが気温に合っていない、乾燥が遅い)
  3. 塗装が濃い(塗りすぎ)
予防策
  1. 使用する塗料のカタログに記載されている割合でシンナーを混ぜあわせる
  2. 塗装する時の気温に適したシンナーを使用する
  3. スプレーガンの距離を少し遠くする。または、スプレーガンを動かすスピードを速くする(塗装を薄くするため)
  4. ライトで確認しながら塗装する(塗り肌を確認しながら塗装する)
補修方法
  1. 軽度の場合、しっかり乾燥させた後、1500番~3000番のペーパーで流れた部分を平滑になるまで研磨し、コンパウンドで磨きをかける(磨きすぎると色が剥げるので注意)
  2. 重度の場合、流れた部分を平滑に研磨し、周辺を800番~1000番程度のペーパーで足付け後、水拭き、脱脂後に再塗装する

トラブル⑤ ブラッシング

ブラッシングの画像

「ブラッシング」とは、空気中の湿気が塗膜表面で結露し、塗膜表面が乳白色に曇る現象のことで、白化とも呼ばれます。
特に、梅雨などの高温多湿の時になりやすいです。

上の画像は、左側のみ湿気で結露してしまった塗装面です。

ブラッシングが起こった塗装面を触ってみる

ブラッシングが起こった塗装面を触ってみると、水滴が垂れます。
この状態では塗装を行うことが出来ないので、湿気が少ない別の日に塗装を行いましょう!

主な原因
  1. 温度、湿度が高い(湿度80%以上)
  2. *揮発 の早いシンナーを使用した(シンナー分が揮発する際、塗装面の熱を奪い温度低下が起こり結露する)
  3. スプレーガンのエアー圧が高すぎる
予防策
  1. 高温多湿の時は、揮発の遅いシンナーを使用し、シンナーの揮発速度を遅らせる
  2. 塗装する場所をヒーターなどで温める
  3. スプレーガンのエアー圧をあまり高くしない(エアー圧が高いと、シンナー分の蒸発が促進されるため)
補修方法
  1. 軽度の場合は、塗装を完全乾燥させた後、コンパウンドで磨く
  2. コンパウンドで磨いてもダメな場合は、800番~1000番程度のペーパーで足付け後、水拭き、脱脂後に再塗装する

*【揮発】➡ 常温で液体が気化すること

トラブル⑥ チヂミ

「チヂミ」とは、上塗り塗料の溶剤が旧塗膜や下塗り塗料に浸透し、塗膜がシワ上になってしまう現象の事です。

主な原因
  1. 旧塗膜がひどく劣化している
  2. 塗装を失敗して、2液塗料が完全硬化していない状態で再塗装を行った
  3. 硬化剤不足の2液塗料の上に塗装を行った
予防策
  1. 塗装を行う前に旧塗膜をシンナーで拭いてみて、塗装がシンナーに溶けるか確認する(シンナーに溶ける=ラッカー塗料、ラッカー塗料は劣化しやすい!)
  2. 旧塗膜が劣化している場合、劣化部分をサンドペーパーで削り落とし、2液のサフェーサーを塗装してから再塗装を行う(速乾の1液サフェーサーを使用するとチヂミが発生する可能性が高いので、遅乾の2液サフェーサーを使用する)
  3. 旧塗膜がシンナーで溶けた場合、塗装を全剥離してから、2液のサフェーサーを塗装してから再塗装を行う
補修方法
  1. 軽度の場合、チジミが発生した場所を平滑になるまでサンドペーパーで研磨し、サフェーサー塗装後再塗装する。
  2. 重度の場合は、塗装をサンドペーパーで削り落とし、下地処理から再補修を行う

トラブル⑦ 塗りムラ

メタルむらの画像

「ムラ」とは、主にメタリックを塗装する時に発生しやすく、メタリックの粒の配列状態が不均一な状態のことで、吹きむらと戻りむらの2種類があります。
【吹きむら】とは、均一に塗装されていない状態 (一度に濃く塗装した際にムラになりやすい)
【戻りむら】とは、メタリックが乾燥していない状態でクリアを塗装したため、メタリックの一部がクリアの溶剤で溶けて、クリアに移ってしまい、ムラに見える状態

👇 ムラのないメタリック塗装 👇

ムラのないメタリック塗装
主な原因
  1. シンナー量が適切でない(多少シンナーが多くても問題ない。シンナーが少ないと、塗料がドロドロでスプレーガンから均一に噴出されない
  2. 均一に塗装出来ていない
  3. クリアを塗るまでのインターバルが短い
  4. クリアのシンナーが多すぎる
予防策
  1. 使用する塗料のカタログに記載されている割合でシンナーを混ぜあわせる
  2. スプレーガンを動かすスピードや塗装の重ね幅を均一にし、塗装が濃い場所、薄い場所を無くす
  3. メタリックを塗装後、しっかり乾燥させてからクリアを塗装する
補修方法
  1. メタリックを塗装中にムラが発生した場合は、均一な塗装を意識してもう一度塗り重ねる(ムラが消えない場合は、スプレーガンの吐出量を多くし、少しだけ離し気味でゆっくり塗装するとむらが消えやすい。放しすぎるとガサガサになるので注意‼)
  2. クリア塗装後の戻りむらは、しっかり乾燥させた後、1000番程度のペーパーで足付け・脱脂清掃後に、メタリックから塗装をやり直す

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